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 ◎第28回の健康相談は、血尿です。
 
 ◆血尿とは?

  尿中に赤血球が混入した状態を血尿といいます。目で見て赤味を感じることがなく、テープの試験紙で尿潜血陽性と判定される血尿を顕微鏡的血尿と呼びます。一方、目で見て赤味を感じる血尿、血塊が混じる血尿を肉眼的血尿と呼びます。
 

 ◆健康診断の際の検尿の留意点

  健康診断の際に行われる検尿では、胃の検診のため朝食や水分を摂らない状態で検尿に臨むことが多いようです。膀胱に十分に尿がたまっていないことがあり、女性の場合は採尿のため無理やり絞り出すことになります。少ししか出ない尿は尿道の外の膣壁をつたって尿コップに入ることになり、膣分泌物が尿に混入してしまうことがあります。元来尿検査は異常がないのに膣分泌物の混入により誤って尿潜血陽性、尿白血球陽性、尿細菌陽性と判定される場合があります。女性の尿検査結果を読み取る際は偽陽性がありうることを念頭におくことが大切です。
男性の場合は採尿上の問題点はなく、偽陽性の可能性は少ないです。
 

 ◆顕微鏡的血尿

 健康診断で尿潜血陽性を指摘されたが、自覚的には目で見て赤い尿が出たことがない場合です。尿を遠心して沈渣を顕微鏡で見ると赤血球が見えます。よって顕微鏡的血尿と呼びます。 このような方の赤血球は普通の赤血球よりサイズが小さかったり、ドーナツ状だったり多彩な形をしています。腎臓から血液が漏れている場合はこのような形をとります。
 顕微鏡的血尿をきたす疾患としては、糸球体腎炎、IgA腎症などが考えられます。一方、特別な病態がなくても顕微鏡的血尿がみられることがあります。 原因不明の血尿で、健康状態にはほとんど影響のない場合を本態性腎性血尿と呼んでおります。健康診断で尿潜血陽性を指摘された方の90%は本態性腎性血尿です。  

 

 肉眼的血尿とは

  尿が目で見て赤い状態を肉眼的血尿と呼びます。 全く症状がなく、突然に肉眼的血尿になる場合を無症候性肉眼的血尿と呼んでいます。膀胱癌などの際にみられます。顕微鏡で尿沈渣をみると、血液中の赤血球と同じ大きさの、形のそろった赤血球が多数みられます。
脇腹が痛くて、肉眼血尿をきたした場合は尿管結石症などが疑われます。
排尿痛、残尿感、頻尿を伴った血尿の場合は膀胱炎などが疑われます。

 

 血尿の診断のための検査(当院で実施しているもの

@ 試験紙(テープ)による検査
A 尿沈渣の顕微鏡検査
B 超音波(エコー)による腎,膀胱、前立腺の観察
 腹部や背部の体表面にゼリーを塗って、プローベをあてて観察します。痛みもなく放射線の被爆もなく安全安心な検査です。
C 排泄性腎盂造影(レントゲン検査)
造影剤を静脈注射して、造影剤が腎から尿路に排泄されている状態をレントゲン撮影し、腎,尿管、膀胱の形態を観察します。 所要時間は30分です。基本的には朝食を摂らずに来院していただき、午前中に実施しています。緊急の場合は食事を摂った時間をおうかがいし、問題がなければ随時実施しております。
D 膀胱鏡検査
胃カメラに用いるファイバースコピーをより細くした軟性鏡を用いて行います。検査前の食事制限はありません。所要時間は3〜5分です。昔の硬性鏡による膀胱鏡検査は苦痛を伴うものでしたが、当院で使用している軟性鏡検査ではほとんど苦痛はありません。 60歳以上で血尿のある方には膀胱鏡検査をお勧めしております。ご高齢になればなるほど膀胱癌の発生率が高まるからです。
E 尿細胞診
尿のなかに癌細胞がないかを調べます。外部の検査機関に依頼します。
F 採血検査
糸球体腎炎やIgA腎症がないか採血で検討します。  

 

 血尿の診断のための検査(当院で実施していないもの

@ CT,MRIの検査(病院に依頼しています)
当院の検査で診断がつかなかったり、確認が必要な場合は病院にCTや MRIの検査を依頼します。当院から病院に直接予約ができます。患者さんは予約日に検査をうけてきていただきます。検査の翌々日には検査結果が当院に届きます。検査結果は当院で説明します。

 

《 ま  と  め 》  
健康診断で尿潜血陽性を指摘されたり、目で見て血尿を認めらたら、
泌尿器科を受診し、きちんと診断してもらい適切な治療を受けましょう。
 

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