名探偵コナン20巻FILE9「姉想い」の中で、殺害方法の手段として素系漂白剤と酸性洗浄剤を併用して、塩素ガスを発生させる、というくだりがありました。

洗剤混ぜただけで、そんなコワイ事になるのか?

ええ、なるんです。一時期、事故が立て続けに起こり、死亡まではいかなくても、失明した例も多いので、洗剤の注意書きには必ず以下のような文が載っています。

掃除などのとき、塩素系漂白剤と酸性洗浄剤を併用

有毒ガスが発生

大変危険なので、やめましょう・・・・。
       

という事で、風呂掃除やトイレ掃除の時に、うっかり2種類の洗剤を混ぜて使ったりすると、どう危険なのか、さらっと説明いたしましょう。

洗剤の中でも特に危険が大きいのは、塩酸(Cl)や次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を含む洗剤です。

なぜか?

酸性液と容易に反応して、有毒な塩素ガス(Cl2)二酸化塩素ガス(ClO2)を発生しやすいからです。

*次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)の酸性液での反応

次亜塩素酸ナトリウム

  NaClO+HCl → NaCl+HClO

  HClO+HCl  → H2O+Cl2↑ 

亜塩素酸ナトリウム

         5NaClO2+4HCl → 4ClO2+5NaCl+2H2O

次亜塩素酸ナトリウム、塩酸を含む洗剤は、下の表参照

分類 製品名
塩素系

次亜塩素酸ナトリウムを含む

製品

*漂白剤、かび取り剤、

住宅用洗剤、

排水パイプ用洗浄剤など

ハイター、ブリーチ、キッチンハイター(液体)、キッチンブリーチ、

カビキラー、キッチンカビキラー、マジックリン、強力ルック、カビとりルック、

バスカビサンポール、トイレルック(中性)、トイレハンター、ドメスト、

パイプユニッシュ、パイプマン、パイプシャワー、

ふろ水ワンダー(ジクロロイソシアヌル酸塩)

酸性

塩素を含む製品

*トイレ,タイル用洗剤

サンポール、ワンドリップS、トイレ洗浄剤、バスマジックリン、

シャット、排水パイプクリーナー(スルファミン酸)

塩素ガス(Cl2)、二酸化塩素ガス(ClO2)の特徴

 
塩素ガス(Cl2) 二酸化塩素ガス(ClO2)
刺激臭

・空気の重さの2.5倍で低い場所に停滞

吸入により呼吸器障害が発現

・眼,粘膜に強い刺激作用があり、炎症を引き起こす

・許容できる濃度は1ppm、中毒症状が出る のは、15ppm以上、430ppm以上の吸入で死亡(1000ppmで即死)

刺激臭

・空気の重さの2.5倍で低い場所に停滞

・塩素ガスより刺激性が高く、組織粘液の水分と反応して、より腐食性を増す

・5ppmで粘膜刺激、
 20ppmの吸入で短時間で死亡する

さて、危険だとゆーのにもかかわらず、

 塩素系漂白剤と酸性洗浄剤を併用して、有毒ガス(Cl2、ClO2)を発生させてしまった場合、そんな場合の救急処置の仕方は、まず救急車を呼ぶのが一番でしょうが・・・・・・。

まず、いやな臭いがして、一番最初に眼にきますので・・・・・

≪目に触れた場合≫

1.眼がチカチカして,涙が止まらなくなって痛みを感じたら、すぐにその場所から離れてください。

2.眼を水で十分に洗います。

  目を開き、微温湯、または流水で5〜15分,目を洗う・・・・・・・こう書くと、なんでもない事の様です。

  が、流水とゆー事は、流れてる水道水を直接眼に当てて洗うという事です。眼には、ちょっとゴミが入ったりしただけで痛いのに、だあだあ流れる水が眼に当たりつづけるのです。それはかなり痛い・・・・・・一種の拷問といえましょう。

≪吸入時≫

1.ガスの発生場所から離れ、安静にし、体温を一定に保つ、

  塩素ガス、二酸化塩素ガスは空気より重く、その場に停滞するので、その場に座り込んだりするのはダメ。

2.濃いコーヒーやお茶を飲ませる

その場で出来ることといえば、これくらいですかね。

ガスを発生させて死亡するまではいきませんが、失明したり目が悪くなったりする事故は結構起きています。

たかが、洗剤といえども、使用上の注意をよく読んで使って下さい。

*補足  

  いまいち、手段が地味で、確実性に欠ける(塩素ガスが致死量までうまく発生するかどうかなど)せいか、ミステリー系小説では、この手段があまり(とゆーか、私は読んだ事がない)使われてないようです。


 

 

ツカレタカラモドル・・・・・