ひびり 新井哲

【時間】19分55秒
【監督】新井哲
【脚本】新井哲
【出演者】加藤めぐみ、前川桃子
ひびり

姉は、着替えとイノチだけを持って来た。

離れて暮らす姉妹が、再び同居した数日の話。姉は秘密を抱えているが、妹はそれに触れないつもりである。その秘密は、透明なガラスに潜む無数のひびに似ている。光に透かしてみれば浮き出る傷たち。平然と日々を過ごす姉は、本当はいつから壊れてしまっていたのか。
物語は、一人暮らしの愛のもとにかかってきた、母からの1本の電話で始まる。姉の響子が、愛の家でしばらく同居するのだと言う。渋々引き受ける愛。同居するのは中学校の時以来だ。とりあえず、姉のために、タンスの一段を空けた。お互いにやり過ごすだけの二人きりの生活は、小さな事故がきっかけとなり、崩れていく。姉妹と他人の関係を行き来しながら、心をすりあわせていく二人。


新井哲

【監督プロフィール】

1978年・茨城県生まれ
千葉県在住
「零式」主宰。全舞台作品の脚本を執筆。文化庁舞台芸術創作奨励賞佳作、劇作家協会新人戯曲賞優秀賞等を受賞。近年、映像作品にも取り組み「さ>らランドセル」「ヘビと映子と佐藤のこと」を手掛ける。本作「ひびり」は脚本に加え、初めて撮影・編集も担う。


【この作品で伝えたかったこと】

一見、透明に見えるコップも、光にかざせば無数のひびが潜んでいます。それは、いくつもの心の傷を隠しながら、平然と日々をやり過ごす人間の姿に重なります。
本作では、心の内を明かせない、近くて遠い姉妹関係の「揺れ」を描きながら、捉え所のない人間の存在のシンプルな肯定を目指しました。一つの希望の形を感じていただけたらと思います。
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