遺影 三宅伸行

「思い出せないことと、忘れてしまうことは違うよ」

【製作年】2006年
【時間】15分45秒
【監督】三宅伸行
【脚本】三宅伸行
【撮影】八重樫肇春
【編集】三宅伸行、八重樫肇春
【音楽】荒井真紀
【出演】平塚真介、坂田雅彦、朝比奈佳廉、
阿部沙織
【主な撮影場所】東京都練馬区・三宅島
遺影

叔父は静かに言い放った。「遺影っていうのはどんな顔すればいいんだい?」

 昆虫写真が専門のカメラマンをしている潤に、親戚の叔母からある日突然連絡が入る。彼女は、余命残りわずかである夫の遺影を撮影してきてほしいと言う。まだ生きている人間に対して死への準備をするのか・・・。戸惑いを隠せず断ろうとする潤だったが、叔母に強引に頼みこまれ、結局彼は叔父の入院している病院へと赴く。最初は快く迎えてくれた叔父だったが、潤が自分の遺影を撮影にきたと知ると態度を急変させ彼を追い出してしまう。ところがある日、叔父は彼に向き合いぽつぽつと話し出す。どこか死を意識した言葉が続く中、叔父は言う。“自分の故郷である島の写真を撮ってきてほしい”。静かだが痛烈な彼の思いをくみとり、潤はひとり、船で島へと向かう。すでに遺影のことは頭になかった。


三宅伸行(みやけ のぶゆき)

【監督プロフィール】1973年 京都府出身

大学を卒業後、4年間の広告代理店勤務を経て、映画監督を志し渡米。ニューヨーク市立大学院映像学科にて2年間映像制作を学ぶ。帰国後、現在は映像プロダクションでディレクターとして様々なプロジェクトに携わっている。

【この作品で伝えたかったこと】

 ある人から、余命少ないおばあさんの遺影の撮影を頼まれた、という話を聞いたとき、遺影を撮ることは、生きている人の死の準備をすることであり、とても罪深いことのように感じた。しかし、考えてみると家族にとっては死にゆく人への責任であり、思いやりに他ならない。遺影をモチーフに、死にゆく人だけでなく、周りの人たちも含めた「人生」を凝縮したストーリーが描きたいと思った。
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